AGAは、日本人男性の3人に1人が発症すると言われている男性型脱毛症のことを言います。AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で、思春期以降に起こり徐々に進行する脱毛症で、AGAで悩む 男性は年代が上がるにつれてどんどん増える傾向にあります。
・20代・・・約10%
・30代・・・約20%
・40代・・・約30%
・50代・・・約40%
今ではこのAGAに対して、AGA治療薬である内服薬や外用薬を病院やクリニックで処方してもらい改善することができるようになりました。特にジェネリックが発売され始めた2015年以降は、AGA治療薬が急速に男性に認知され始めました。
ですが、AGA治療薬は男性のみならず、薄毛や抜け毛で悩む女性はもちろんのこと、 女性や子供、 薄毛や抜け毛の悩みが無い妊娠や出産を希望する女性にも大きくかかわるものとなっています。
男性も女性も、AGA治療薬について正しい知識を持ったうえで、薄毛や抜け毛の治療をしていける環境になればより良いと思いますので、AGA治療薬の種類とその効果、またAGA治療薬の副作用についても詳しくお伝えしていきます。
AGAの原因
AGAの原因は主に遺伝と男性ホルモンが関係しており、その他に加齢や生活習慣の乱れによっても抜け毛が引き起こされます。
このAGAの仕組みを説明する時によく出てくる名称は次のような5つのキーワードです。
1.性ホルモンの【テストステロン】 |
2 .代謝酵素(還元酵素)の 【5αリダクターゼ】 |
3 .性ホルモンの【ジヒドロテストステロン】 |
4 .核タンパク質の 【アンドロゲンレセプター】 |
5 .抜け毛の直接原因【 TGF-β】 |
AGAの原因となる男性ホルモンとは、男性ホルモンの中の一つであるジヒドロテストステロンの事を言います。
ジヒドロテストステロンは、始めはのテストステロンという男性ホルモンなのですが、頭皮の5αリダクターゼという代謝酵素と呼ばれるものと結合することによって、悪玉ホルモンのジヒドロテストステロンに変換されてしまいます。
そしてそのジヒドロテストステロンは、髪を作る毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプター( アンドロゲン受容体 )と結びついて、毛母細胞の細胞増殖・分化を抑制し、細胞死を促す抜け毛や薄毛の直接的原因であるTGF-βを誘導することで髪が成長するのを阻害してしまいます。
そこから髪が成長する期間が短くなり軟毛化していき、毛根を包む毛包もどんどんと小さくなってしまうミニチュア化現象というものが起こって抜け毛薄毛になってしまうのがAGAの特徴です。
また、このアンドロゲンレセプターの感受性が強い人がAGA(男性型脱毛症)となりますが、このアンドロゲンレセプターは遺伝で決まります。75%が母方からの遺伝と言われています。
AGA治療薬は【守り】と【攻め】
現在、日本で承認されているAGA治療薬は3種類あり、その内【守り】である脱毛抑制剤は①フィナステリドと②デュタステリドで、【攻め】である発毛促進剤は③ミノキシジルです。 AGA治療ではこの守りと攻めの2つを組み合わせて取り組みますが、その成分が入ったものが医薬品の商品となって流通しています。
毛が抜けないようにする
【守り】脱毛抑制剤 フィナステリド、デュタステリド
毛を生やし育てる
【攻め】発毛促進剤 ミノキシジル
【守り】脱毛抑制剤= 成分の名前がフィナステリドやデュタステリド。 脱毛シグナル(抜けろ信号)の元となる5αリダクターゼを阻害してくれて、男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されるのを防いでくれます。
【攻め】発毛促進剤= 成分の名前はミノキシジル。 頭皮の血行を促進することで、髪の成長因子を作り出す環境を作り、発毛を促進してくれます。
守りはフィナデュタ、攻めはミノキと覚えると覚えやすいかもしれません。
AGA治療薬一覧 《 AGA治療薬は3種類》
【守り】である脱毛抑制剤の一般名(成分名)は①フィナステリドと②デュタステリド、【攻め】である発毛促進剤の一般名は③ミノキシジルです。その成分が入ったAGA治療薬が様々な企業の商品となって流通しています。一般名(成分名)と商品名がごちゃ混ぜになりそうなカタカナが並んで覚えにくいですが、一般名(成分名)で覚えておけば問題ないです。
一般名(成分名) | 商品名 | 価格相場 | 効果 | 先発医薬品発売時期 | 後発医薬品発売時期 | |
【守り】 脱毛抑制 | ①フィナステリド (内服薬) | プロペシア フィナステリドなど | 4,200円~ 7,800円/月額 | Ⅱ型の5α リダクターゼ の働きを阻害 | 2005年 (MSD株式会社) | 2015年 |
②デュタステリド (内服薬) | ザガーロ デュタステリドなど | 7,000円~ 9,500円/月額 | Ⅰ型とⅡ型の 5αリダクターゼ の働きを阻害 | 2016年(グラクソ・ スミスクライン 株式会社) | 2020年 | |
【攻め】 発毛促進 | ③ミノキシジル (外用薬) | リアップや ロゲインなど | 1,200円~ 15,000円/月額 | 毛母細胞の活性化 と血行促進 | 1999年(大正製薬) | 2018年 |
ちなみに。。。5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型の2種類ある
守りの脱毛抑制剤は、5αリダクターゼから毛母細胞を守る事を指しますが、5αリダクターゼは1種類ではなく2種類存在します。5αリダクターゼⅠ型とⅡ型です。Ⅰ型とⅡ型はそれぞれ存在している場所が違い、AGAの直接的な原因は5αリダクターゼⅡ型となっています。
○5αリダクターゼⅠ型
《AGAの直接的原因ではない》5αリダクターゼⅠ型は、主要臓器(筋肉、肝臓他)やほぼ全身の毛乳頭細胞に存在し、頭皮の皮脂腺付近にも多く存在します。しかしAGA(男性型脱毛症)の直接的な原因酵素ではありません。
○5αリダクターゼⅡ型
《AGAの直接的原因です》5αリダクターゼⅡ型は、頭皮・脇・髭・陰毛等などの毛乳頭細胞と前立腺に存在し、頭皮の場合だと生え際、前頭部、頭頂部となっており、AGAの直接的原因はこちらの5αリダクターゼⅡ型となっています。
本当に不必要なのか?5αリダクターゼの役割
しかし、5αリダクターゼという代謝酵素は、人にとって本当に不必要な酵素なのでしょうか。そうではありません。5αリダクターゼには存在するだけの大切な役割があります。毛乳頭細胞内に存在する5αリダクターゼは毛母細胞に指令を与えて、髪の元を作り出し髪の毛周期をコントロールします。
また、人は元々男性へも女性へも変化できる体をもって生命体となりますが、妊娠時の女性の体内において、5αリダクターゼが胎児を男性化させるための役割のいったんを担っています。まず男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼによって更に強いパワーを持ったジヒドロテストステロンに変換されます。そしてそのジヒドロテストステロンは、胎児に男の子としての外陰部を形成し、骨格を形成し、脳に作用して男性化をさせるという、とても大切な働きをしてくれているのです。
更には、5αリダクターゼ活性の低下によって起こる5α-還元酵素欠損症という、赤ちゃんの時期に気づかれることが多い病気もあります。男性の薄毛や抜け毛において悪いイメージの5αリダクターゼや、男性ホルモンのテストステロン、ジヒドロテストステロンは、人にとってとても大切な代謝酵素なのです。
AGA治療薬の効果
①フィナステリドの効果
フィナステリドは前立腺肥大の治療薬として発売され、その副作用として多毛症があったことから、開発されました。
5αリダクターゼⅡ型の抑制をしてくれるのがフィナステリドです。商品名はプロペシア(新薬・先発医薬品 / 発売元MSD)とフィナステリド(ジェネリック・後発医薬品 / 発売元は多数)となっています。AGA(男性型脱毛症)を引き起こすきっかけとなる5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害して、抜け毛薄毛の進行を予防してくれる働きをしてくれます。
②デュタステリドの効果
デュタステリドも同様に前立腺肥大の治療薬として発売され、その副作用として多毛症があったことから、開発されました。
5αリダクターゼⅡ 型とⅠ型の抑制をしてくれるのがデュタステリドです。商品名はザガーロ(新薬・先発医薬品 / 発売元グラクソスミスクライン)とデュタステリド(ジェネリック・後発医薬品 / 発売元は多数)となっています。
③ミノキシジルの効果
ミノキシジルは、高血圧の薬として開発されましたが、患者の副作用として多毛症が現れた事からAGA治療薬の発毛剤の成分として再開発された成分です。頭皮への血流を促す事により、毛母細胞に栄養を送り込みやすい状態にし、毛包に直接作用して、細胞の増殖やたんぱく質の合成を促進することによって発毛作用を示します。日本では大正製薬が発売し、2018年に特許がきれたことから後発医薬品が発売されるようになりました。
AGA治療薬の副作用とは
AGA 治療薬には副作用があります。主に性機能についての記載ですが、むやみに不安になるよりも、しっかりと知識を取り入れることによって、医師の診断の元治療に向き合えると良いと思いますので参考にして下さ い。
プロペシアの副作用
1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | そう痒症、じん麻疹 発疹、血管浮腫 (口唇、舌、咽喉及び 顔面腫脹を含む) | ||
生殖器 | リビドー減退※1 (性欲減退) | 勃起機能不全※1 射精障害※1 精液量減少 | 睾丸痛、血精液症 男性不妊症・精液の質低下 (精子濃度減少、無精子症 精子運動性低下、精子形態異常※2) |
肝臓 | AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇 | ||
その他 | 乳房圧痛、乳房肥大 抑うつ症状、めまい |
※2本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。
(参照:KEGGデータベース)
肝臓 の欄のAST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇 とは以下の通りです。
AST上昇:健康な方の血液中にもみられますが、肝臓に障害が起こって肝細胞が壊れると、血液中に流れる量が増えるため、値が上昇します。心筋や骨格筋、赤血球中などにも多く含まれているASTと比べて、ALTは主に肝臓中に存在しているため、肝細胞の障害の程度を調べるのに適しています。健康な人ではALTよりASTが高値を示しますが、肝障害の場合、ALTの方が高くなります
γ-GTP :たんぱく質を分解する酵素で、肝臓、腎臓、膵臓などの細胞に含まれており、これらの組織に障害が起こったり、肝・胆道系に閉塞があると、血液中に流れ出てきます。アルコールに敏感に反応し、肝障害を起こしていなくても、普段からよくお酒を飲む人では数値が上昇します。ただし健康な人は、一時的にγ-GTPの数値が上昇しても、すぐにもとに戻るので、一定期間禁酒した後にγ-GTPの再検査をすればアルコールによる上昇か、肝臓や膵臓などの障害による上昇かの区別は簡単につきます。アルコールに関係ないアルコール性脂肪性肝炎(アルコールに関係なく肝臓に中性脂肪がたまり、それが原因で起こった肝炎)でも、γ-GTP値が上昇することがわかってきました。(出展:肝炎.net)
ザガーロの副作用
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹 | 蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫 | |
精神神経系 | 頭痛、抑うつ気分 | 浮動性めまい、味覚異常 | |
生殖系及び乳房障害 | 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)※3 | 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感) | 精巣痛、精巣腫脹 |
皮膚 | 脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症 | ||
消火器 | 腹部不快感 | 腹痛、下痢 | |
その他 | 倦怠感、血中CK増加 |
(参照:KEGGデータベース)
血中CKはクレアチンキナーゼの略語です。 筋肉にエネルギーを貯めるときに働く酵素で、全身の運動を つかさどる筋肉(骨格筋)や心臓の筋肉(心筋)に多く含まれています。 したがって、それらの筋肉が 傷害されたときに、血液中で高値になります。
AGA治療薬のフィナステリドとデュタステリドは女性には禁忌の薬です
男性の薄毛には有効なAGAの内服薬ですが、女性や子供への投与は禁止されています。
誤ってカプセルから薬剤が漏れてしまって薬剤に触れてしまった場合は経皮吸収されてしまうので、直ちに石鹸と水で洗い流す事と記載されています。
またデュタステリドの添付文書には《9.5妊婦 女性には投与しないこと。ラット及びウサギに経口投与した結果、血中ジヒドロテストステロンが低下して、雄胎児の外生殖器の発達が阻害される可能性が示唆された》という記載もある事から、特に注意が必要です。
フィナステリド
重要な基本的注意
本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。
妊婦
女妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。本剤がヒト乳汁中へ移行するかは不明である。
小児等
小児等に対する適応はない。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
デュタステリド
重要な基本的注意
本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。
妊婦
女性には投与しないこと。ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。
授乳婦
女性には投与しないこと。本剤が乳汁中に移行するかは不明である。
小児等
小児等に対する適応はない。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
また、厚生労働省からも、プロペシアに関する注意喚起がされています。
プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について
男性型脱毛の治療に使用されている「プロペシア」(成分名:フィナステリド)については、妊娠中の女性では男の胎児の生殖器に異常を起こすおそれがあることが米国FDAの公表する注意事項に掲載されています。
参照:【厚生労働省】プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について
そこで、この注意事項を一般の方が容易に正しく理解することができるよう、重要な注意事項の邦文訳をホームページに掲載いたしました。
なお、プロペシアは我が国でも承認されており、医師の処方せんが必要な医薬品になっております。安易な個人輸入は行わず、必ず医療機関を受診し、医師の処方により正しく服用するようにしてください。
プロペシアと妊娠に関する警告
AGA治療薬については男性限定の商品が多く(ミノキシジルは女性にも処方されています)フィナステリドやデュタステリドは女性(または女児、小児)の使用は禁止されており、厚生労働省からも警告されているので間違って女性が服用する事の無いよう注意してください。
また、男子胎児を妊娠している場合に、口から入った場合でも、経皮吸収された場合でも、男子胎児への生殖器を阻害する可能性が示唆されていることからも、十分に気を付けてもらいたいと思います。
プロペシアと妊娠に関する警告
妊娠中かその可能性のある女性は
参照:【厚生労働省】プロペシアと妊娠に関する警告
ー絶対にプロペシアを使用してはいけません。
ー砕けたり割れたりしたプロペシアの錠剤を触ってはいけません。
男の子を妊娠している女性の体内にプロペシアの有効成分が入ると、それが口から入った場合であっても、皮膚に付着して吸収された場合であっても、男の子の生殖器に異常を起こすおそれがあります。妊娠中の女性がプロペシアの有効成分に触れてしまった時には、医師に相談して下さい。
プロペシアの錠剤はコーティングされていますので、砕けたり割れたりしない限り、通常の取扱いで有効成分に触れることはありません。
AGA治療薬の個人輸入への注意喚起
記載した商品以外にも、AGA治療薬は個人輸入で入荷できてしまう海外製の格安な商品が多数あります。 それについて日本では未認可でありながら、個人輸入により手軽に入手できてしまいます。こちらについても厚労省から注意喚起されています。
AGA治療薬のザガーロの添付文書には
“PSAの検査を受ける際には本剤の服用について検査を行う医師
に知らせるよう、患者を指導すること。”
と記載されています。これはどういう意味かというと、PSAとは前立腺がんの検査における値のことを指しますが、ザガーロを飲んでいると、前立腺がんの診断で、このPSAの値が本来の数値よりも下がってしまっているので、患者さんが、「私はザガーロを飲んでいます」と自己申告しないと、癌なのか癌ではないのか、本来の診断ができないということなのです。
”なお、プロペシアは我が国でも承認されており、医師の処方せんが必要な医薬品になっております。安易な個人輸入は行わず、必ず医療機関を受診し、医師の処方により正しく服用するようにしてください。”
この様に厚生労働省からの注意喚起もあります。個人輸入は医師の判断ではなく自己判断になってしまうので、服用するべきかどうかや、体の変化、副作用の有無など経過観察もできないので正確な診断がされた状態ではありません。また、日本で認可されていないAGAの薬は内容成分の保証も無い為安易に入手せず、医療機関を受診するようにして下さい。
薄毛や抜け毛が増える生活習慣とは
髪は体の一部です。バランスのとれた食事、睡眠、運動、精神的健康によって作られています。そして、髪の毛を作るための十分なアミノ酸が含まれた血液がきちんと毛乳頭に届けられるからこそ、強くて太く、ハリコシのある美しい髪が作られます。
頭皮の毛細血管は非常に細く、繊細です。約7ミクロン、1000分の7ミリ、髪の毛の10分の1しかありません。そのような毛細血管がきちんと守られる生活が、健康な髪を作る秘訣と言えます。まずは私たちの普段の生活習慣から見つめ直してみましょう。
1、精神的ストレス
精神的ストレスは抜け毛を助長します。それは健康な血管の働きを妨げてしまうからです。適度なストレスは自立神経の働きによって、交感神経と副交感神経のバランスを保ち、健康に良い効果をもたらしますが、過度なストレスは、血管にダメージを与え、末端にある頭皮への血流がスムーズに送れなくなって、髪が成長するのに必要な栄養が届かなくなってしまいます。
2、食生活の偏り
健康的でバランスの良い食事は、しなやかで弾力のある血管と栄養がたっぷりの血を作ります。そしてスムーズな血流によって、隅々まで行き届いた毛細血管から毛根に栄養が届けられ、毛母細胞が活性化して、太くて強く、抜けにくい髪を作ります。
それが例えば、から揚げ、ラーメン、焼肉に大盛ライスなど、毎日のように脂質や糖質に偏った食生活を続けて、野菜や魚、根菜やきのこ海藻類など、健康な血管と髪づくりに欠かせないバランスのとれた食事で栄養を取っていなければ抜け毛を促進させてしまいます。
3、タンパク質や亜鉛などのミネラル、ビタミンの不足
髪は食事から摂ったタンパク質によって作られていますが、タンパク質が分解、再合成されて髪になります。しかし、このアミノ酸は単体で髪の主成分のケラチンを作る事ができず、亜鉛のサポートを必要とします。亜鉛不足では髪を作る事ができません。
ビタミンはビタミンB2、ビタミンB6が代謝を促し、ビタミンCは抗酸化作用によって良い頭皮環境を保ち、ビタミンEは血流の流れを促進してくれます。
4、喫煙
喫煙をするとタバコにふくまれるニコチンの強い血管収縮作用により、毛細血管が縮まり、動脈硬化が進み、頭皮への血流が妨げられてしまいます。
5、過度の飲酒
アルコールをとると、アセトアルデヒドという物質に変化されます。これは、アルコールが肝臓で酵素などにより分解されて変化したもので、最後は酢酸へと分解され、血液によって全身の臓器をめぐり、筋肉や脂肪組織で水と二酸化炭素に分解されて、尿や汗、呼気に含まれて体の外へ排出されます。
ですが分解しきれなかったアルコールやアセトアルデヒドは、もう一度心臓を通って体を巡り、また肝臓に戻って分解される、という行程を繰り返します。この時肝臓で分解しきれなかったアセトアルデヒドは、薄毛の原因となるジヒドロテストステロンを増加させてしまうと言われていますし、多量のビタミンをも消費してしまいます。
6、睡眠不足、睡眠の質の低下
睡眠不足や睡眠の質の低下は、自律神経のリズムが乱れ、血管や血流、ホルモンの分泌がうまくコントロールできず、髪を成長させる成長ホルモンの分泌も減少して、髪の細胞が活性化されるのを妨げられてしまいます。
7、ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンは「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、男性ホルモンは「テストステロン」と「デヒドロエピアンドロステロン」、「ジヒドロテストステロン」があり、このホルモンバランスが崩れると抜け毛の原因となってしまいます。
8、過剰な皮脂の分泌と過剰なフケ
過剰に出された皮脂は、酸化して頭皮環境を悪くし、分泌異常はホルモンバランスを崩して毛根の機能に影響してしまいます。そして健康な髪を育てるための栄養や酸素が供給しにくくなって、髪の成長を妨げ、抜け毛を促してしまいます。
9、紫外線
紫外線は頭皮の乾燥を招き、頭皮のターンオーバーダメージとなってしまいます。ダメージはフケや汗皮脂による炎症となり毛根へダメージを与えてしまいます。
10、不適切なヘアケアと頭皮ケア
洗浄力が高すぎるシャンプーや、トリートメントのすすぎ残し、合わない育毛剤などを使用することによる不適切な頭皮ケアによって、頭皮は乾燥し、炎症を起こしてしまうので、髪の発育環境が悪くなってしまいます。頭皮環境はとても大切です。髪が元気に強く生えるためには水分が豊富で毛細血管が張り巡らせやすい健康な頭皮が必要です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
AGAの治療薬について、男性も女性も正しい知識をみにつけて、髪のことも体のことも、一緒に考えられる様になれば良いと思いますし、もしこの薄毛や抜け毛が増える生活習慣の項目にいくつも当てはまるようであれば、一度見直して、髪の状態がより良くなる生活習慣を取り入れてみるようぜひ意識してみて下さい。